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ビタミンCは高濃度で抗がん作用を発揮し、副作用も和らげる。

 
 

◆高濃度ビタミンC点滴療法とは、どのような治療法ですか。

土橋院長とハイパーサーミアのスタッフ
 
 
土橋院長とハイパーサーミアのスタッフ

高濃度ビタミンC治療は近年、副作用のないがん治療として注目を集めています。ビタミンCを通常、1回50g以上点滴することにより、がん細胞内で過酸化水素を形成し、正常細胞に影響を与えずに、がんの細胞死を誘導するという治療法です。

膵臓がん、悪性黒色種、大腸がん、骨肉腫の培養細胞はビタミンC濃度が400mg/dlに達すると死ぬことが分かっています。正常細胞はカタラーゼという酵素が過酸化水素を中和するのですが、がん細胞の多くはこのカタラーゼが欠乏してために過酸化水素を中和できずにダメージを受けて破壊されるという原理です。

つまり、ビタミンCは高濃度になると栄養素ではなく、抗がん剤の作用をもつといえます。高濃度ビタミンC点滴療法は、化学療法や放射線治療と併用することが可能で、副作用を和らげ、標準治療の効果を高めることができるといわれています。

◆患者さんの様子や治療の経過はいかがですか。

高濃度ビタミンC点滴療法も、患者さんから「ぜひやってほしい」という希望があって始めました。たまたま、この療法を日本に導入された第一人者の柳澤厚生先生(点滴療法研究会会長)は、私がかつて勤務していた北里研究所病院で、非常勤で診ておられたことがあり、そのご縁で、先生ご自身が当院まで来てレクチャーしてくださいました。

最初の患者さんは60代の男性で、15年前に食道がんを手術された方です。のどのつかえ、足のしびれを訴えて、どこの神経内科で診てもらっても原因が分からないということで、当院の神経内科を受診されました。つかえ感も足のしびれもひどくなってきていると聞いて、国立の鹿児島医療センターを紹介したら、喉頭にがんが見つかりました。肺にも小さな転移がありました。

放射線療法と抗がん剤治療を受け、当院で高濃度ビタミンC点滴療法を始めたのが今年(2011年)の春からです。その後の経過はとても良くて、体重も増えています。「入院していた同室の人がみんな亡くなられたけれど、自分は元気だ。同じ治療を受けていても、副作用の出方が違っていて、副作用で苦しまなくてすむ」とおっしゃっています。

高濃度ビタミンC点滴療法を行った感触は非常に良く、患者さんが元気になり、生活の質が変わります。当院がハイパーサーミアを導入してからは、高濃度ビタミンC点滴療法にハイパーサーミアも併用するようになりました。

 

   

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