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特別講演 九州大学医学研究院先端医療医学部門腫瘍制御学分野教授 | |||
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がんは遺伝子の変異で生まれる。ただ、一足飛びに出来るわけではなく、1センチのがんになるには10年から30年かかり、そう簡単には大きくならない。増殖を補助するような物質をがん細胞自身が出し、外から因子を取り入れるといった2つが一緒になった時に、少しずつ変化を伴いながら成長していく。がんの原因の30%といわれているタバコの中には、遺伝子を傷つける物質と、傷ついた遺伝子を育てる因子を持っている。がんの成長をよりスピードアップさせることになる。 一生の中で、2人に1人が、診断を受けるがんになるが、5ミリ以下で発見されない潜在がんがある。それも含め、ほぼ全員ががんになると理解したほうが良い。対策は、遺伝子が傷つくのを避け、がんの成長スピードを遅くすることなどだ。そのためには喫煙をやめ、食事で食塩制限や腹八分目を心がける。がん対策は生活習慣病対策であり、生活習慣病対策はがん対策である。全員ががんになることを認識し、早期検診とライフスタイルの改善を行うことが大切で、血便や体重減少など日常の変化に気づく早期の自己検診も重要だ。 | ||||