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特別講演 福岡がん総合クリニック院長 | |||
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免疫療法には、医学的根拠のあるワクチン療法や免疫細胞療法、抗体療法などのほか、サプリメントなどの民間療法、精神神経療法などがあり、がん組織にリンパ球が多く浸潤している場合には再発しにくいなど、がん治療に役立っているという学会報告や論文が蓄積されてきた。しかし、多施設共同比較試験など、薬物療法のような高いエビデンス(医学的根拠)が蓄積されていないため、標準的治療法とはなっていない。 抗体医薬などの一部(ハーセプチン、リツキサンなど)が保険適用されているが、注目を集めているワクチン療法や免疫細胞療法は未だ研究医療で、ほとんどの患者さんが自由診療で治療を受けているのが現状だ。 実績を積み上げている免疫細胞療法の意義は、早期がんの場合は再発予防となり、再発、進行がんの場合は進行の抑制、さらにはがんとの共存が図れるなどの点にある。 がん免疫療法の未来予想は、ワクチン療法が標準治療のひとつになり、免疫を弱めない抗がん剤(分子標的薬剤)が薬物療法の中心となるほか、手術後の再発予防の主役となるだろう。 | ||||