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がん治療最前線
  ハイパーサーミア(がん温熱治療)  
   
 
 

パネルディスカッション
ハイパーサーミア(温熱治療)の可能性
家族含め、周りが患者を支えてこそ


◇コーディネーター
横山博美氏
◇パネリスト
近藤元治氏、上田公介氏、バレンチナ・オスタペンコ氏、
浅尾高行氏、藤木龍輔氏

 

◆関東では、ハイパーサーミアを導入している医療機関が少ないのはなぜか。

近藤 がんセンターを頂点とする日本のがん治療では、外科手術、化学療法、放射線療法が重視されてきた歴史があり、医師はそれ以外の治療法を軽んじる傾向がある。また、温熱治療に健康保険が適用されるようになったが、一連の治療につき、同じ金額の枠しか設けられていない。つまり、1回治療しても10回治療しても支払われる金額は同じ。これでは医療機関はボランティアのような形で応えるしかなく、高額機器の償却ができず、メリットがないため普及しない。その結果、患者さんはこの良い治療の恩恵にあずかれない。

◆大腸がんの手術をしたが、再発や転移が心配。予防策は?

浅尾 CT、内視鏡、PETなど多くの検査方法がある。自覚症状がなくても、半年に1回は受けてほしい。大腸がんの再発は2年目ぐらいが最も多い。小さいうちに見つかれば有効な治療方法がある。抗がん剤はこの2、3年で大きく変わり、大腸がんの治療に非常に有効なものが出てきた。まず、検査を受けることが一番大事だ。

◆がん治療への取り組み方で大切なことは?

藤木 医師として、私は絶対にあきらめない。そのためには、緩和医療にも精通する必要がある。がん治療はどんどん進んでおり、ハイパーサーミアなども使って、あきらめない最善の医療を提供したい。

オスタペンコ 一般に温熱治療に1時間近くかけているので、その間に余裕を持って患者さんと話ができるのは非常に良いことだ。第一の目標は長期生存だが、QOLの向上も大事。アンケートによる評価分析で、QOLが改善した患者さんは、免疫機能も活性化している結果が得られている。

   
     

上田 前立腺がんは一人一人、中身が全部違う。それぞれの患者さんに一番合った治療法は何かを、われわれ臨床医は常に考えていなければならない。全国でハイパーサーミアの同じ機械が100台ぐらい導入されているが、本当に上手に治療できる医師は少ない。最初は患者さんの反応に注意し、マイルドハイパーサーミアというやや低い温度で、患者さんに気持ちよく温泉につかったような気分になってもらい、慣れてくると温度を上げていく。
家族も呼んで、医師や看護師らと一緒に患者さんの話を聴き、足をもんだり、手をさすったり、汗をふいたり、お茶を飲ませたりしながら、みんなが一生懸命治療にかかる。密室治療は絶対にしない。患者さんが独りで苦しむことなく、周りが支えて初めてがん治療はうまくいくのだから、家族の方も来てほしい。

   
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