●手術
メスを使った外科的治療で、がんのできた組織の一部または全部を切除する方法です。最近ではほとんど開腹の必要のない「内視鏡手術」が増えて、患者さんの肉体的・精神的な負担が軽くなっています。
●放射線療法
放射線を照射して、がんを消滅させる治療法です。正常な細胞にも作用して副作用を伴うため、焦点を合わせたピンポイント攻撃が要求されます。
●化学療法
抗がん剤などの薬を用いて、がん細胞を攻撃する治療法です。薬が体中に行き渡りますので、転移の可能性のある場合に適しています。乳がん、子宮体がん、前立腺がんなどで、ホルモン剤を用い、がんの増殖を抑える「ホルモン療法」も、化学療法の一種です。
●免疫療法
体に備わっている防御機構である免疫の働きを促し、強化する治療法で、実態は幅が広い。免疫賦活剤(ピシバニール、クレスチンなど)、サイトカイン療法(インターフェロン、インターロイキン2など)のほか、活性化リンパ球療法、樹状細胞療法など、細胞を使った治療が行われるようになってきています。
●代替療法
医療機関が扱う標準的ながん治療以外に、さまざまな治療法が行われています。食事療法、サプリメント、鍼灸、マッサージ、運動療法、心理療法、音楽療法、アロマテラピー、健康食品…。有効性や安全性に注意が必要ですが、実際にはがん患者の約8割が、何らかの代替療法を試しているという調査結果も出ています。
●集学的治療と温熱治療
現在、各種の治療法を総合した「がんの集学的治療」が広く行われるようになりました。温熱治療(ハイパーサーミア)は、放射線療法や化学療法の効果を高め、副作用を軽減すること、免疫力を増強させることが、多くの実験と症例で示されています。
|