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  免疫賦活剤、サプリメントをランク分けしてアドバイス

 
 

◆免疫療法の一つである「免疫賦活療法」に用いられているのは、厚生労働省が認可したものからサプリメント、健康食品まで幅広く、効果や安全性を疑問視する医師や使用を認めない医師も少なくありません。これらを上手に利用して治療に役立てるためには ?

古来、キノコ類に抗がん作用があることや、溶連菌感染症である丹毒にかかるとがんが消えることもあるのが分かっていました。これらのキノコや溶連菌の中には免疫を高める免疫賦活物質が含まれており、上手に使えばがんの予防や治療の手段になり得ます。

溶連菌から取り出されたピシバニールという製剤やキノコから抽出されたレンチナン、クレスチンといった製剤はデータもあり、いずれも厚生労働省が認可した医薬品です。これらは免疫賦活療法の中でも一番レベルの高いものであり、当センターではこれらを使った免疫賦活療法も行っています。

サプリメントの中にはいろいろあります。もう少しで薬に匹敵するようなサプリメントもあるし、うわさだけで本当に効くかどうか分からないサプリメント、逆に害があるかもしれないサプリメントもある。注意点は、そのサプリメントに対するデータがどれだけあるか。当センターでは専任の栄養士がデータを集めてランク分けし、患者さんがサプリメントなどを使用したいと言ってこられた時に対応しています。

人間に使用してどれだけ効いたかというデータがあるのがAランク、動物実験で効いたというデータがあるのがBランク。成分表があるのがCランク。うわさだけというのがDランク。同じキノコでも、これはどのランクか言ってあげなければ、患者さんは分からないでしょう。

そこで、注意しなければいけないことがあります。サプリメントによって免疫力が仮に10上がるとしても、がんによって免疫力が100ぐらい下がっていると思わなければなりません。たとえ10上げても、それでがんを治すところまではいかない。他の方法、手術、放射線などでがんをやっつけて、マイナス100を0までもっていったところで、サプリメントの10は非常に役に立ちます。それをせずにサプリメントの10だけでは助かりません。

◆免疫療法を中心に話を伺ってきました。最後に、温熱治療を含む集学的治療のあり方、患者が心掛けておきたいことなどをお願いします。

もちろん、手術できるがんは手術しましょう、一番確実にがん細胞を取ることができるのですから。放射線も今は副作用が少なく治療できますから、それがベストならしてもらいましょう。しかし、手術、放射線、抗がん剤だけでは完治したつもりでも再発することがあります。がん細胞が少なく弱ったときに、残ったがん細胞に免疫でとどめを刺すことで完治の可能性が高まります。

温熱治療に関しては、免疫、抗がん剤、放射線の治療効果を増強する大事な働きがあります。従来の手術、抗がん剤、放射線の治療は重要ですが、これでがんを完全に制圧できるわけではありません。副作用の少ない免疫療法と温熱療法を併用することにより根治症例も増え、治療効果を確かめることができるようになりました。特に再発時を考えますと、手術も放射線もできない事が多く、抗癌剤も耐性ができたり、副作用が強くなり、減量したり中止する事が多くなります。そうしますと、免疫療法、温熱療法の重要性はさらに重要となってきます。


 
 
がんの集学的治療
 

   

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湯川 進さん
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