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  がん消失やNK細胞活性化の症例も

 
 

◆これまでに数多くの臨床を積み重ねられてきていますが、具体的な症例を紹介してください。

2000年に当院で治療した、腎臓がんの70歳男性のケースです。この患者さんは肺転移も認められたのですが、腎臓にある腫瘍にのみハイパーサーミアを単独で実施(週1回、1時間、合計4回)したところ、加温しなかった肺転移巣も一回り小さくなりました。腎臓がんは免疫に対して感受性の高い腫瘍です。他の患者さんのデータですが、ハイパーサーミア治療中にみられたNK細胞の活性化による効果と考えられます。

局所温熱療法による免疫効果
 

NK細胞の活性化
 

ハイパーサーミア専用装置を導入して、第1例目の50歳代女性の乳がん患者さんは、非常に印象に残る方でした。西出病院のホームページにも写真を載せてあります。99年12月に、当院での治療開始前には、数種類の抗がん剤と放射線治療を受け、巨大腫瘍は縮小しましたが、まだ大きな腫瘍が残存しました。ハイパーサーミアを週2回、ほとんど単独治療で行ったところ、40回の治療後にはがんは消失しました。その時点ではまだ大きな皮膚潰瘍が残っていましたが、その後治療を続けた結果、その潰瘍もきれいに治りました。

温熱療法で進行乳がんが消えた
 

2003年に手術不可能のすい臓がんと診断され、余命半年と告知された74歳の男性のケースです。少量の抗がん剤にハイパーサーミアの併用治療を行い、半年後には腫瘍の縮小を確認しました。しかし、その後腫瘍は再び大きくなり、腫瘍マーカーの上昇及び腹水の増加を認めました。2004年3月からは新たな少量の抗がん剤投与を開始したところ、腫瘍マーカーの著しい減少、腹水の改善を認めました。さらに5月からは放射線治療を追加し、放射線・温熱・化学の3者併用での治療を行いました。2005年7月に亡くなられましたが、あと半年と宣告された患者さんだったのにもかかわらず、通院しながら2年近く元気に生活を送ることが出来ました。

すい臓がんの治療方法と結果
 

2005年5月に卵巣がんと診断された73歳の女性は、手術を勧められていましたが、恐怖心から手術を拒否されていました。また同様に、抗がん剤の治療も拒否されていたため、6月からハイパーサーミアを単独で開始しました。8月からは少量の抗がん剤治療を納得してもらったところ、11月には腫瘍マーカーは正常化し、腫瘍も縮小しました。症状の改善が見られ、また患者さんからも抗がん剤の投与を中止して欲しいとの要望があったため、ハイパーサーミア単独での治療に切り替えました。しかし、3カ月後に再び腫瘍の増大を確認したため、2006年2月からは別の抗がん剤とハイパーサーミアとの併用に戻しました。更に、2006年11月からは放射線治療も同時に1カ間行ったところ、腫瘍は5cmまで縮小しました。この患者さんの症例では、腫瘍は縮小と増大を2年間以上も繰り返しましたが、多種の抗がん剤並びに放射線治療とハイパーサーミア併用により、現時点では腫瘍マーカーはほぼ正常化しています。現在も通院治療を行っていますが、ほぼ普段通りの生活を送られています。

良くなった卵巣がん
 


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