「何とかして治したい」――より良いがん治療を求めて。 | ||||||||||
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◆土橋病院がハイパーサーミア治療を開始した経緯と、患者さんの反応をお聞かせください。
高濃度ビタミンC点滴療法も、やはり患者さんから希望があって始めました。患者さんに言われたら、そしてそれが良い治療だと判断したなら、やるしかないでしょう。実際に、胸水や腹水がたまり酸素を吸入している末期の患者さんが、ハイパーサーミア治療を受けて、しっかり歩かれているのを目の当たりにしてきました。 当院ではハイパーサーミアを導入して日は浅いのですが、みなさんにとても喜ばれています。ある方は体重が増え、もともと末梢神経障害があったのですか、それも良くなりました。原因不明といわれて、いくら治療してもだめだった症状が消えたとおっしゃっています。 ◆土橋先生のこれまでのがん治療、およびがんの患者さんとのかかわりについて。 私は医師になってから、虎の門病院と鹿児島大学医学部第三内科で約2年間ずつ、研修医として診療に当たりました。そこでは、肺がんをはじめとするがんの患者さんを多く担当しました。ただ、一生懸命に標準治療をしても、それだけでは治らず、亡くなる方を多く見てきました。そのため、西洋医学以外の治療を学びたいと思って、北里研究所東洋医学総合研究所の特別研修医として漢方・鍼灸医学の研修生となったのです。 北里研究所病院では、当時から漢方と鍼灸を取り入れた緩和ケアを行っており、がんの養生食などの食事療法にも対応していました。痛み止めを使わずに、漢方だけで疼痛コントロールを行い、長生きしている方もいらっしゃいました。西洋医学だけではないアプローチをしていたので、北里研究所病院での学びはすごく大きかったと思います。 また、鹿児島大学病院や阿久根市民病院でも主に呼吸器疾患を担当し、気管支鏡を扱い、抗がん剤治療も行いました。それでも、がんの場合は治癒が難しくて、医療者として何もしてあげられないというような思いがありました。それが私をサイモントン療法に向かわせました。治せない病気を、何とかして治したいと思ったからです。 |
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