がんを機に、人生を軌道修正し、生きるエネルギーを高める | |||||||
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◆サイモントン療法のプログラムの概要を説明してください。 ●喜び・生きがいのワーク
●ビリーフワーク(信念書き換え・認知療法) いわゆる認知行動療法です。例えば、がんで私は死んでしまうと思って気分が落ち込んだら、免疫力がもっと低下してしまいます。しかし、私はがんで100%死ぬとはかぎらない、いろいろ手を尽くして、いろんな方法で生きることも可能であると信じて、その可能性にどんどんアプローチしていきます。 ●イメージワーク(ビジュアライゼーション) 自分が行っている治療と自己治癒力などをイメージして、絵を描いてもらいます。例えば、治療を信頼していなかったり、自己治癒力が信じられていないと、それらが小さく、がんがすごく大きく描かれていたりします。そこで、悪いイメージを修正していきます。 ある乳がんの患者さんは、抗がん剤治療に対して、マスクをした兵隊が毒ガスを撒き散らして攻撃するイメージをもっていましたが、優しい看護師さんが軟膏の治療薬を患部に塗ってくれるイメージに変えたとたん、副作用が軽減しました。攻撃的だったイメージを自分に寄り添うイメージに変えることで、治癒効果があらわれることもあります。 ●ストレスパターンと病気の二次的恩恵 ストレスは、がんの大きな要因になります。頑張りすぎる人に、人の数倍働きすぎてこうなったというストレスパターンに気づいてもらい、病気になってよかったことを考えていただきます。例えば、病気になって会社を辞めることができた、家族と一緒にいる時間が増えた、自然の中にいる時間が増えた、"No"と言えるようになったなど、次から次へと出てきます。 ●希望・信頼・内なる叡智 希望とは可能性のへだたりにかかわらず、得たい結果が得られると信じることです。言いかえれば、症状がどうであれ、より良くなれると信じることです。希望や信頼感をもって生きていくことが大事なポイントになります。 ●死生観 人はいつか必ず死ぬ、100%死ぬという立場をとって話を進めていきます。死に対する私たちの恐れや不安を除き、死に対する不健全さを健全化していくために、死んだらどうなるかまで踏み込みます。魂がどうなっていくか、人それぞれの考え方でいいのです。魂が永遠だという立場をとれると、子どもの成長を見られないとかいう未練は、あの世から子どもの成長を見守っていくことができるから死んでも大丈夫と、死に対してリラックスした気持ちに変わります。自分の死を受けいれて、好奇心をもって死に対応できていくのではないでしょうか。 宗教にかかわらず、自分がこうありたいという考え方、いちばんしっくりいく考え方でいいのです。無でありたい、一切がなくなるという考え方もあります。今、生きるエネルギーが高まるような、死に対するとらえ方をしていきましょう。 死生観によって、今をよりよく生きようと思い、今の生き方が変わってきます。さらに、死ぬときにどうやって死にたいかを考えてもらいます。例えば、愛する家族に囲まれて亡くなりたいと願うなら、今一緒にいないとそういう死は訪れないから、家族と仲よく過ごしましょう。心穏やかに死にたいと願うなら、イライラして日常生活でストレスがたまっていたらダメですよね。今、心穏やかになるためには何をしたらいいかを一緒に考えていきましょう。死を考えると生き方が変わってくるのです。だから、生きるエネルギーを高めるために、良い死生観をはぐくみましょう。 ●患者さんとサポーターのコミュニケーション 患者さんがしたいことと、サポーターがしてほしいことが違う場合が多いのです。サポーターもストレスをためるし、患者さんもストレスをためる。そういうミス・コミュニケーションを減らすために、アドバイスします。 ●2年間の健康プラン 自分にとって生きていくうえで大事なものは何なのか。目標達成ではなく、自分の人生をゆったりと、いかにリラックスして生きるかということをメインに、健康プランを立てていきます。自分の健康にとってよいものを、日常生活に取り入れていきます。ゆったりリラックスして、病気になった意味を考え、軌道修正していきましょう。 ●リラクゼーション・メディテーション(瞑想) 呼吸法とともにメディテーションを行います。 |
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