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基調講演 東京女子医科大学名誉教授・高崎 健氏  

基調講演
いま見直されるべき、がん治療
(一人ひとりを見つめた、がん治療の重要性)

東京女子医科大学名誉教授
高崎 健

 

がん治療は進歩し、7割近くの人は治る時代となった。しかし、いろいろな治療法を駆使しても治療が困難な例も存在している。これらに対しては、治療に対する基本的な考え方を見直す必要がある。がんの排除を目標とする治療から、免疫機能の温存を重視したもの、さらにはがんとの共存も治療の選択肢に入れるべきだろう。

がんの発育は免疫機能との力関係だ。元々、人の体の中には、免疫細胞による生体防御システムがあり、それががんの排除を行っており、発育抑制力は大きい。それを裏付けるものとして、がん病巣が免疫細胞に囲まれた症例では、治療効果は良好だが、免疫を抑制してしまうある種の抗がん剤を使うと、発育が加速されてしまう。

外科切除や放射線療法、抗がん剤治療はがんに対する破壊力はあるが、その一方で、免疫細胞を傷害してしまう両刃の剣だ。温熱療法や免疫療法は、免疫細胞を賦活させる効果がある。

これからのがん治療は、がん病巣を攻撃する標準化された既成治療から、個人個人のがんの特性、免疫機能を把握し、免疫機能を温存した総合的な個別治療への転換が求められている。

   

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一人ひとりを見つめたがん治療:免疫細胞療法と温熱療法
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がん免疫療法の現状と未来
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