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  ハイパーサーミア(がん温熱治療)  
   
 
 

特別講演「前立腺がんに負けない!」
高齢者に無理なく好結果

名古屋前立腺センター温熱・免疫療法研究所所長
名古屋市立大学臨床教授

上田 公介

 

前立腺がんは、手術で完全摘出できるとは限らない。尿失禁などの後遺症も問題となる。放射線治療では直腸や膀胱への影響が考えられ、焦点を絞って照射するトモセラピーなどの新しい治療が行われるようになったが、生き残ったがん細胞に対する治療は難しい。

前立腺がんや膀胱がんの患者さんには、お年寄りが多い。温熱治療と放射線治療を同時に行うのが良いとされているが、放射線を毎日受けながら、週に1、2回温熱治療をするのは体力的に無理がある。そこで、放射線治療後、がん組織の血液の流れを悪くして温熱効果を高めてからハイパーサーミアを行っている。

進行性でホルモン剤が効かなくなるホルモン低抗性前立腺がんに対する治療に、新しい抗がん剤が使用されているが、副作用が強い割にはそれほど有効ではない。当センターでは、低濃度抗がん剤投与に併用した局所ハイパーサーミアを行っている。温熱を加えると抗がん剤が細胞の中に入りやすく、がんの患部に届きやすくなる。良好な成績を上げつつあることは、腫瘍マーカー (PSA) の評価法でも確認している。

   
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