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がん治療最前線
  ハイパーサーミア(がん温熱治療)  
   
 
パネルディスカッション・質疑応答  
■パネルディスカッション・質疑応答



◇座長

眸羚臣氏(医療法人康仁会西の京病院理事長)
◇パネリスト
近藤元治氏、櫻井隆久氏、尾辻秀章氏、寺嶋廣美氏、古倉 聡氏、上田公介氏

 

◆ハイパーサーミア治療は健康保険が使えるのか。また、必要な治療費はどれくらいか。

  座長の眸羚臣氏(医療法人康仁会西の京病院理事長)。
座長の眸羚臣氏(医療法人康仁会西の京病院理事長)
   

近藤 ハイパーサーミアには健康保険が適用される。ただし「一連につき」、深部加温で9000点(9万円)、浅部加温で6000点(6万円)と決められている。厚生労働省は「一連」の解釈を「医師が必要と認めた回数」としているが、副作用のないハイパーサーミアは、長期間の治療が必要だ。現実には、「一連=5〜10回」と定めて保険診療を行っている施設が多いようだ。

私のところでは一連を8回にしており、週1回で2カ月間になる。3割負担の患者で、深いところのがんの場合、2カ月で27000円と、患者さんには優しい費用となっている。「一連」が終われば健康保険の適用がはずれるから、施設によって異なるが、1回につき1〜2万円の実費になる。

患者さんには優しい治療法だが、これでは高額機械の償却は困難で、医療施設は赤字続き。それがハイパーサーミアの普及を妨げる要因になっている。

◆心臓や胆道にステントを入れている状態でも、ハイパーサーミアは可能か。

  パネリスト
左から近藤元治氏、櫻井隆久氏、尾辻秀章氏、寺嶋廣美氏、古倉 聡氏、上田公介氏
   

櫻井 上腹部のハイパーサーミアに関しては、心臓の位置関係とは全く問題なく行っている。胆管ステントの入っている方も何人か治療しているが、8割ぐらいの出力で何ら不都合はない。ストーマ(人工肛門)のところは、火傷などがあると困るので、フィルムを当てたりして避けるようにはしている。しかし、特に問題はないと思う。

近藤 ステントの素材が昔は金属だったが、最近はMRI検査などの邪魔にならないように、素材が変わってきている。今使われているのは、ほとんど問題がなく、まして管の中を血液や体液が流れているので心配しなくてもよい。

◆PET検査は健康保険で、どこまで受けられるのか。また、がんのどの時点で受けたらいいのか。

尾辻 いつPETの検査を受けたらいいのかと聞かれると、早期がんは症状がないので、元気な時に一度受けていただくのが一番。その後は、がんと診断されたときから受けていただくと、健康保険が適応される。

 一連のハイパーサーミア治療を受けた後、PETで光っているか光っていないかという画像診断をすることがエビデンスにつながる。がんの大きさは変わらなくても、PETで光るかどうかが、がん細胞が死んでいるか、まだ活動しているかの大きな分かれ目になる。画像による質的診断をしようとすれば、PETが最も有効だ。

◆放射線治療にハイパーサーミアを併用するメリットについて。

寺嶋 ハイパーサーミアを併用するメリットの一つは、放射線量を落とせるところだ。また最近は、放射線のピンポイント照射が可能になったが、感受性という問題点があり、骨腫瘍、筋肉肉腫、ある種の神経腫瘍など、感受性が低いものがある。そういった感受性の低い腫瘍に最大限に照射しても、やはり治せない。そういう時に温熱が有効になる。例えば、80%まで治っていて、あと20%治せば根治できるというものに温熱を加えると良い結果が得られる。照射量がかなり広い大きな腫瘍になると、がん組織が一部残る。そういう場合にも温熱を加えると、根治に持っていける可能性がある。副作用がなく、何回も治療できるので根治を目指せる。

◆最新の免疫療法を受けたいが、高い費用が問題だ。

古倉 治療費は自由診療の場合、扱う細胞や免疫療法の種類によって異なるが、1回の治療に8万から20万円ほどかかる。しかし、大学では最新の免疫療法に関する臨床試験を行っているので、それに参加すると治療費が発生しない。そういう機会をできるだけ利用していただきたい。

◆前立腺がんのPSA値が上がってきたが、進行を止める方法はあるか。

上田 手術したあと、放射線を当てたり、ホルモン療法をしていても、腫瘍マーカーのPSAが上がってきたという人が多い。そういった患者さんには、抗がん剤を少量薄めて、点滴で流しておいてから骨盤部を温めるハイパーサーミアによって、だいたい60%ぐらいの患者さんでPSAが下がってくる。下がってきたら、1カ月に一度だけでいいから、同じ治療を可能な限り続けるとよい。

私は前立腺がんの患者さんを多数治療しているが、長野県から月に1回、車に3〜4人同乗して名古屋まで来られる患者さんもある。抗がん剤の点滴とハイパーサーミアでPSA値が下がり、皆さん元気だ。前立腺がんになっても、長生きすることはできる。

今までの日本人の多くは、前立腺がんがあっても、潜在がんで一生なんともなかった。病院で亡くなって解剖したら、前立腺がんが見つかったものだ。やはり、食事の因子が大きい。タバコを吸う、濃いアルコールをたくさん飲む、肉類や高脂肪食を多くとるなどの生活習慣を改める必要がある。

   

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