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  ハイパーサーミア(がん温熱治療)  
   
 
 

特別講演「身体と心に頼りになるハイパーサーミアの一話」
免疫力高め、不安を軽減

医療法人尚生会西出病院温熱治療研究室研究主任
バレンチナ・オスタペンコ

 

人間の体を作る60兆の細胞の一つががん化するところから始まり、がんは分裂しながら無制限に増えていく。免疫システムの中でがん細胞をやっつける働きを持っているのはNK(ナチュラルキラー)細胞とキラーT細胞。ハイパーサーミアにより、これらの細胞やガンマインターフェロンが増加し、免疫力がアップする。その免疫効果として、腹部加温による腎臓がんからの肺転移病巣の縮小や、肝臓がんの原因となるC型肝炎ウイルスの減少が認められた。

当院では温熱治療により、進行性乳がんの消失、すい臓がんや卵巣がんの縮小と腫瘍マーカーの正常化が見られた。一般に温度が高いほうが治療成績は上がるが、42.5度以下でも、がん細胞に影響を与える。放射線や抗がん剤の効果を上げ、免疫力を高める。

最近、精神状態が治療効果や延命に影響を及ぼすという報告が次々に出されている。当院でも患者さんの調査を行い、温熱治療をしたことにより50%以上の方で不安感が軽減されたことが分かった。温熱療法は、直接的な抗がん作用とともに、精神状態および免疫力の改善につながる。

   

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