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ハイパーサーミア がん温熱治療
  ハイパーサーミア(がん温熱治療)  
   
 

  温熱が放射線の効果を高める。
  酸素不足のがん細胞に、併用で増感効果。

 

放射線とハイパーサーミアの併用については、多くの実験が行われています。がん細胞は普通の体温で放射線を照射するよりも、42℃以上で照射する方が致死効果の高いことが分かっています。また、ハイパーサーミア治療と放射線治療の併用では、放射線の耐容線量が上がることが報告されています。

放射線の働きは、酸素があると高まりますが、反対に酸素が不足すると十分に効きません。温熱は、その問題を解決してくれます。血流不足のがん細胞は酸素が不足しており、加温したときに温度がよく上がります。そこで、放射線に温熱を併用すると増感効果が得られます。

加温効果には「細胞周期依存性」が認められています。細胞は一定の周期を繰り返して増殖します。温度感受性は分裂期(M期)およびDNA合成期(S期)において高く、特に放射線に対して抵抗性を示すS期細胞が加温に対して高い感受性を示しています。したがって、S期細胞の割合が大きい分裂細胞集団、例えば増殖の速い腫瘍に対して、併用治療は放射線単独よりもはるかに大きい治療法かが期待されます。

数々の実験と臨床データにより、1990(平成2)年にハイパーサーミアが健康保険の適用になりましたが、そのときの厚生省(現 厚生労働省)の表現は「電磁波温熱療法と放射線療法との併用療法」となっていました。その後、1996(平成8)年の健保改正で適用が拡大され、「放射線治療との併用に限る」という制限がなくなりました。どんな化学療法との併用でも、健康保険が適用できます。

   

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