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一般講演 大阪ガン免疫化学療法センター院長 | |||
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最近、温熱療法が効くシステムの中に、免疫が関与していることが分かってきた。温熱療法を行うとがんの表面にある抗原物質がたくさん出て、ここにがんがあるというのが分かりやすくなる。最初にがんを認識する樹状細胞が、認識しやすくなり、リンパ球を増やして攻撃させる。リンパ球が直接がんを攻撃する兵隊なら、樹状細胞は指揮官だ。 採取したリンパ球を培養して増やしたあとに体内に戻す活性化リンパ球療法は、すぐに効果が出るが、あまり長くは効かない。樹状細胞治療は、血液から取り出した樹状細胞をがんの局所に投与し、体内でリンパ球を増やして効率的にがんを攻撃させるので、最も注目されている。 大腸がんが全身に転移した状態でオーストラリアから来た患者さんが、温熱療法と樹状細胞療法、活性化リンパ球療法で、がんがすべて消え、元気に帰国されたケースなど、免疫療法と温熱療法を併用することで、がんが消失する症例も増えてきた。 手術、抗がん剤、放射線は重要な治療方法だが、再発することもある。その時に免疫療法と温熱療法は有効な治療方法で、しかもその2つはお互いの能力を高めていく。 | ||||