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  ハイパーサーミア(がん温熱治療)  
   
 
 

一般講演
身体と心に頼りになるハイパーサーミア

医療法人尚生会西出病院温熱治療研究室研究主任
バレンチナ・オスタペンコ

 

ハイパーサーミアは併用する放射線や抗がん剤の効果を高めるほか、免疫力も高めることも報告されている。当院で治療した腎臓がん患者のケースだが、腎臓にある腫瘍にのみハイパーサーミアを単独で実施したところ、加温しなかった肺転移巣も縮小した。腎臓がんは免疫に対して感受性が高く、免疫の活性化によるものと考えている。他の患者さんのデータだが、温熱治療前は約40%だったNK細胞の活性化率が、治療後は70%近くにまで上がった。

九州大学のデータだが、手術前の食道がんの患者さんの腫瘍周辺への免疫細胞(リンパ球)の集まり度を調べたところ、放射線・化学療法は2%だったが、それに温熱療法を加えたら約17%となった。温熱療法を加えることで、より免疫が効きやすくなるということだ。

また、温熱療法は治療効果以外にも、不安の解消など精神的な効果もあると考えられる。精神的に強く病気に対して楽観的な患者さんが、治療成績もよく長生きが出来るということは、アメリカの論文などで科学的に証明されている。

   
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